迂闊にも程がある

迂闊なおばさんの悲喜こもごも

親知らずと言う存在に寄り添ってみる

 

月曜日に親知らずを抜歯してから早4日。

ブログにも書いた通り、恐ろし気なイメージしかなかった親知らず抜歯は「恐れるに足らない」体験だった(今だから言えるんですけどね)。

 

恐怖体験を乗り越え時間が経った今、ふと思った。

「親知らず」というネーミング。

何でまたこんな名前がつけられたのか?

 

気になりだしたら居ても立ってもいられない。

てなわけで調べてみました。

 

 

そもそも親知らずとは第三大臼歯の俗称。 

本名ではなく、いわゆるニックネームってやつですかね。

 

で、由来については諸説いろいろあるようだが、その名もズバリ「語源由来辞典」によると、以下の説明がされていた。

青いイタリック体(斜体)の部分が「語源由来辞典」からの引用。

黒い立体が私の意見(意見て…)。

 

親知らずの由来は諸説あるが、乳歯を「」、永久歯を「」に見立てた説が有力である。

のっけからたまげた。しかも有力説。乳歯→親 永久歯→子て…。ややこし過ぎやしないか。


永久歯を「大人の歯」、乳歯を「子供の歯」と呼ぶため分かりづらいかもしれないが、それらは人間の成長を軸にした呼称である。歯の生まれる順番という視点で考えれば、先に生える乳歯を「親」、後に生える永久歯を「子」とするのは自然なことである。

いや、わかりづらい…というか、馴染みにくい。立場逆転、下剋上? いったん思考停止してしまいそうになるけど、何か、成長の軸と言うポジティブな字面にほだされそうになるのは私だけ?(意味)

 

その他、親知らずの由来には、次のような説がある。
1.親知らずが現れるのは20〜30歳頃だが、の寿命は短かったため、親は子の「親知らず(第三大臼歯)」を見ることなく亡くなっていたことから。

こちらの方がまだ私としては「なるほどね」となる。

要は人生50年と言われていた時代に第三大臼歯が生える頃には親は亡くなっていたという事。なんかしみじみしてしまう。

すみませんねぇ、私なんか昔の寿命よりも一回りも長く生きてるくせして、今更親知らずを抜いたりなんかして。しかも父も元気に生きておりますしね。

それにしても親知らずが生えてくるの遅っ!

 

2.昔は若いうちに親離れしていたため、親が知ることなく生える歯の意味か ら。

 

平均寿命が50年を超えたのは1947年、終戦から2年経った頃。高校や大学に進学する人も今よりずっと少なくて、早くから働いていたという事なのだろう。映画「フラガール」みたいに、集団就職で大阪に出て来たという話を実際に聞いたこともある。

その頃は長生きすることも今より希少だったのでしょうね。う~ん、感慨深い。

 


3.乳歯が生え始めた頃は親が子の歯を磨くが、第三大臼歯が生えてく頃には親が子の歯を見ていないことから。

 

そうそう、乳歯の生え始めのあのかわいらしい事。ピンク色の歯茎にうっすら真珠の様な白い歯の先が見えてきて、「かわい~~~」と大感激したものだ。なつかしい。

今や子が老いた親の入れ歯を磨く時代になってるけどね。

 

上記三説はいずれも、親知らずの「親」の意味を「本当の親」としているが、新しい歯が生えてきた時に「親が知らない歯が生えてきた」などと思うだろうか?しかも、寿命が短かったり、親離れが早い時代の成長しきった大人のである。乳歯のないところに生えてくる特徴よりも、親が知らないことの方が印象深いとは、非常に考え難い説である。

そんな身も蓋もない事を言いなさんな。ていうか1行目ギャグですか? 

確かに現代では親が子の親知らずを見たいなんて言ったら「え~~~っ」と引かれそう。ホラーだ。そもそも親知らずは埋もれている事が大半で見る事はかなわない。抜いた親知らずを見せてもドン引きされるのがオチだろうし。

 

 

「親知らず」のネーミング由来を調べたら、想像すらしていなかった事実があった。

乳歯と永久歯の呼び方逆転現象(そうとは言っていないが)、この事は今日で忘れる事にする。ややこしくて私には消化しきれない(正論興味なし)。

 

そして、軽くディスられた「その他の3つの説」。私としてはこちらの方に共感するなぁ。平均寿命が50歳以下という時代を必死に生きていた人々の姿にほんの少しだけど思いを馳せることが出来たし、何か人間くさくていじらしい説だと思うのだ。

 

「親知らず」という普段は隠れている存在。痛みや不具合でようやくその存在を知らしめる。日陰者の様に存在し、日を見ると悪者扱いで抜かれてしまう。

 

何の為に生まれてきたの?

不憫だ。

 

 

だけどお願いだから、まだ存在する私の親知らず達。

私の歯茎の中でず~~~っと日陰の身でいてください。