父こける　（長文です） - 迂闊にも程がある

今日は親知らず抜歯のために頂いた3連休の最終日で、次に観ようと思っていたNetflixのドラマを堪能するために嬉々として早朝から家事をこなし、ソファーでくつろぎモード全開で鑑賞していたら携帯が鳴った。

父がお世話になっている住宅型有料老人ホームからだった。

居室のトイレ内で転倒して起き上がれずに寝そべっているところを、入浴のお誘いに来てくださったスタッフさんが見つけてくれたようだ（入浴日でラッキーでした）。

電話では「頭を打っている様で赤くなっている、バイタルに問題はなく、本人も『大丈夫』との事ですが・・・」とおっしゃっていたが、私もちょうど休みだし、病院でちゃんと診てもらう事にした。頭だけに。

大急ぎで突貫工事もとい手早くメイクして、着替えを済ませ車を父の元へと走らせる。午前10時を過ぎていたからか道は比較的空いていた。片道20~25分くらいかかるが、電話を切ってから到着するまでに40分と言う早業にスタッフさんが驚かれていた（暴走はしておりません）。

父は何か気まずそうな表情。こんな事は過去に何度もあったので、こっちとしては「またですかぁ」くらいのノリだ。転倒がある度に一応報告を受けているが、今回の様に病院まで行くのは久しぶりの事。私が休みで良かった。保険証とおくすり手帳を渡されいざ病院へと向かう。

過去に慢性硬膜下血腫の手術をして頂いた脳神経外科へ。

受付で父の保険証を出したら、「期限が切れてます」と言われええ～～～～っ！

事務の人が間違えて渡してしまったみたいで、実費で払って後で返してもらおうかと思ったけど、取り敢えずホームに電話してみたら、持ってきてくれるとの事。

助かる～～～。父をひとり残して取りに帰るワケにもいかないし、父をまた車に乗せて取りに行こうにも雨が降って来てるし、駐車場が混んでいてえらい奥に停めてしまったし、どうしよ～～～と軽くパニクッていたから。

待合室のソファーにチンと座っている父に「絶対に立たないでここで待ってて」と告げて、玄関で待っていると、雨がゲリラ豪雨級のおそろしい降り方になってきた。

その中を颯爽と現れる一台の軽四。

副主任さんだ。

ちぎれんばかりに手を振る私に気付いてくれてシャァ～～ッと水しぶきを上げて玄関の軒下まで来てくれた。

新旧保険証をがっちり受け渡しする。

リレーのバトンタッチの様な見事な流れ。

「すいませんでした～」「ありがと～～！気をつけてね～～」。

急いで父の元へ戻ると、ナースさんが待っていて別室での問診となった。

ナースさんはとても穏やかな雰囲気で、私の話す言葉を聞いて下さる。父ではなく私とナースさんの間での問診となっていた（父が耳が遠いので病院ではいつもこんな感じ）。

この病院での慢性硬膜下血腫の手術・入院の前にも、2回慢性硬膜下血腫の手術・入院を繰り返していること。慢性硬膜下血腫になる前には脳梗塞を発症し左麻痺がある事。その後も転倒リスクが非常に高く独居が無理となり、現在の老人ホームに入居した事。などなど、聞き上手なナースさんに甘えて切々と語ってしまった(笑)。ナースさんもしまいには「うちの父親もね・・・」と話し始めたり・・・。

問診の後は念のため車いすに乗ってもらった。

診察室の前で待っている間、父に何で転倒したかを聞いたら「トイレの床に落ちたトイレットペーパーの切れ端を拾おうとしてバランスを崩してこけた」らしい。

私が「気持ちはわかるけど、これからはそんなん拾わなくていいよ。掃除は私やヘルパーさんがするから」と言うと、前の席に座っていらした女性二人が「うんうん」と大きく頷いてくださった。

その後も私たちの会話の声が大きいから聞こえてしまうのだけど、微笑みながら「うんうん」と頷いてくださるのが何か嬉しかったな。

同じような経験があるのかな。

診察を経て（先生もとっても優しそうな方）、CTを撮りに行く（ここでもとてもやさしく接してくださる）。

父は今まで一体何度CTとかMRIとか撮ってるだろう。もうベテランの域である。

再度、診察室に呼ばれてCTの結果、特に気にすることは何もなく、以前手術した後のＣＴ画像と比べてくださり、「変化はありません」との事。

父に通訳すると、父がめちゃくちゃ大きな声で「ありがとうございます！」と、言ったので先生笑ってはった。

すっごく長くなったけど、大事にならなくて本当に良かった。

今まで3回も頭蓋骨に穴開けてるのに、また手術とかになったら可哀そう過ぎる。

ほんとに父はしぶといもとい逞しい。ほっそいけど。