迂闊にも程がある

迂闊なおばさんの悲喜こもごも

遅れて届いた願い事

 

4~5日前父がお世話になっている住宅型有料老人ホームから封書が届いていた。

 

いつものサービス内容の明細、請求金額などが書かれたものが入っているだけだろうと開封もせずに放置していた。肝心の「後期高齢者医療保険料額決定通知書」や「介護保険料額決定通知書」「介護負担割合証(父は2割負担)」「介護保険被保険者証」等は一昨日行った(父とのランチで)時に所長さんから受け取ったし。「介護負担割合証」「介護保険被保険者証」はホームの方でいつも預かっていただいている。

 

因みに父の介護度は介護度2である。昨年までは介護度3だった。父は元公務員なので共済年金で私のひと月のお給料よりも父の年金額はずっと多い。そのおかげで私たち子どもからの持ち出しはゼロで父の経済力には感謝している。

 

届いていたA4サイズの封書を開けるといつもの紙類が入っていた。

その合間にオレンジ色の小さな紙が挟まっている。

見ると、それは七夕の短冊だった。

父の手書き文字で願い事が書かれていた。

願い事の内容よりも父の手書き文字に思わず「えぇ!?」と声が出た。

線は震え筆圧は弱く(マーカーペンなので濃く書けているが)、しかも平仮名。

 

父は達筆だった。年賀状も硯で墨をすり筆で一枚一枚書いていた。学校などの書類を書く時も母ではなく(母も字が下手ではなかったが「お父ちゃん書いて」と母が父に頼んでいた)、父がいつも書いてくれていた。

 

短冊の文字はちゃんと読めるし、まだ大丈夫とは思うものの、つい以前とのギャップに軽いショックを感じてしまった。昨日、自分には「過去に生きるな、今を生きろ」と言うたばかりなのにね。

 

そして、思った事はもうひとつ。

この短冊はなぜこの封書に入っていたのだろう。父がこのホームに暮らすようになってから、もう何回も七夕はあったし(当たり前だけど)今まで短冊が封書の中に入っていた事はなかった。ホームの方が「お父さんの字の状態はこんな感じです」と私に知らせるため? それとも「お父さんはこう願われてますよ」と教えてくれたの?

 

ふと、思った。

もしかして、これは自分への願い事ではなく誰かの事を祈るというか願った?

ふ、考え過ぎやね。

それでも父がよく言う言葉を思い出す。

「うかちゃんが元気でおってもらわんと」

この言葉を聞く度に、

「はいはい、お父ちゃんよりも先に〇んだりしませんから、大丈夫やで」

と、半ば苦笑いをもって返事していた。

 

でもね、誰のための願い事でもいいじゃないか、この際。

これを願わない人などいないだろうしね。

余っていた額があったから記念として額装しときました。

 

 

 

ありがとさん