庭仕事していたら携帯が鳴った。
父のホームから。
今日は父の歯科受診の日なので、その確認かと思ったら父がまた転倒したとの事。
「またコケはるんやろなぁ」と思ってはいたけど「もう?早っ」。
聞くところによると外傷はなく、本人もケロッとしているとの事。
でも、前の事があるので本当にケガをしていないか、頭は打っていないか等念入りに訊く。とりあえず今すぐに駆け付けなければならない様な状況ではないのでホッとした。
今日はどうしても髪を切りに行きたかったから。「11(イレブン)カット」のクーポンの期限が明日までだったので 笑(明日は仕事だし)。
クーポン利用で税込み1,430円也(もう、やめられません)。
今回で4回目。初めて女性に切って頂いて今までで一番大満足の仕上がり。
ずっとこのままならいいのに。
形状記憶毛髪とかだったらいいのに。
午後から父のホームに行き、副所長さんに今日の事を聞いたりしている内に私はすっかり不機嫌になっていた。転ぶのはしかたない。でも前回の転倒の際に私が「スタッフさんに転倒した時の事を訊かれたら出来る限り状況をちゃんと説明して」とあれほど言ったのに(説明する理由も)、何度尋ねても「すべっただけ」としか言わなかったらしい。それは「こけただけ」と言っているのも同じ様なものだ。
もう、めんどくさくなってるんだろうな、説明するのが。今日も前に私が買ってきた寝間着のトレーナーの上にベストを着るという珍妙な恰好をしていて、「何で寝間着着てるん?」と聞くと「じゃまくさいから」と答えた。高齢の父の気持ちはわかるけど、何だかがっかりしてしまった。
父も「まぁ、機嫌なおして~や~」と豪快に笑い飛ばせるようなキャラでもなく、何となく私の様子をチラチラ伺ってる感じも、私の不機嫌が父にあんな態度をさせているんだという罪悪感を駆り立てる。もう、こうなったら止まらない不機嫌の負のループ。
「あかんあかん、あかんでぇ」とは思いながらも、ホームの職員さんたちに不機嫌を感付かれたかも。もう、最悪の展開。自分で不機嫌になっておきながら気持ちはマリワナ海溝まで落ちた。
そんな不機嫌を抱えたままの歯科受診。
歯科助手の方のキャラに何か救われた。
ドクターを待つ間、私と父が転倒の話をしていたら、
歯科助手さんが「こけはったんですか?」 その時の彼女の表情。
「ケガは?大丈夫やったんですか?」と追って聞いてくれる。そのまっすぐな瞳。
「ケガはなかったんですよ」
「よかったですね~」と彼女は父の顔を覗き込んだ。
「北風と太陽」じゃないけど、「太陽」のお陰で我に返った。
自分の不機嫌をもう少しで関係のない人たちの前でまき散らすところだった。彼女の飾らない笑顔が私に恥の上塗りのブレーキをかけてくれた。
ありがとう。助かりました。
いつも誰かに助けられている。
気持ちがささくれ立っている時ほど、
計算のない無垢な在りように打たれる。
おかげで帰りの車の中は不機嫌の要素や険悪な空気は皆無。
「何か甘いものでも買うて帰りましょか~♪」みたいな。もうチョモランマ⤴。
(我ながら単純だとは思う)
夕飯の時間になっていたので父を食堂まで送り、
「また、次の月曜日に」と父の右手を握り笑顔でその場を離れる事が出来た。
次の月曜日、またあの笑顔に会える。