「次は蕎麦が食べたい」
と前に父が言っていたので蕎麦屋さんへ。
持参したA4サイズのホワイトボードを使って会話していると、注文を聞きに来た店員さんが、
「便利ですね、それ」
「父が耳が遠いので、あまり大きな声を出すのもアレですしね」
「いえいえ、大きな声で楽しく話してくださいよ。ケンカも大きな声でして下さい」
「あぁ、ありがとうございます」と返しながらも、心の中では(いやいや、ケンカはせーへんでしょ、こんなトコで。周りに聞かれたくない話もあるやん)とつぶやいたが、もしかしたらご自身も介護経験があっての発言かも知れないなぁと思い直したりもする。
父の居室に戻って父がいつも座っている社長椅子の修理に取り掛かる。椅子の合皮の表皮のハゲている箇所に昨日買ったフェイクレザーを貼っていくのだけれど…。すぐに終わるだろうと思っていたけど、なかなかどうして手ごわい。
まず取り掛かったのが肘置き。はがれた表皮の下がスポンジ?ウレタン?の上にメッシュ生地を貼った様な仕様になっていて、その部分がボンドをドンドン吸い込んでしまいくっつかない。しかも肘置きがゆる~く曲線になっているので少し切り込みを入れたりするがピタッとは貼りついてくれない。
後頭部が当たる部分にも取り掛かる。ここは肘置きよりはフラットだし、表皮が残っている面積がまだ多かったので貼り付きは良かった。これを貼ってからTシャツを被せておこうと思っていたけど、そのTシャツを持って来るのを忘れてしまった(何かひとつ忘れるよね~)。
こんなん簡単に出来るやろうと高をくくっていた私がアホでございました。世の中にはyoutubeっちゅ~便利な何でも教えてくれる動画もあるのに、ちゃんと予習しておくべきだった😢。こういうとこやな。
座面に至っては思ったより剥げてる面積が広くてお手上げ🤷♀️ 今まで通り、バスタオルと座布団で隠すという消極的な解決法に甘んじる。もう一度、策を練ってリベンジだな。もうかなりやる気をどっかに落としてきたみたいだけど、何とかしないと右の肘置きがベチョベチョしそう。のり弁当の海苔みたいに。
施設長さんに事の顛末を説明した。施設長さんは「お父さんの右ひじがベタベタになってないか注意して見ておきます」と。ご理解いただけてありがたいです。
あ~あ、何か疲れた。上手く貼れなかった事もあるけど…。
何か今日は空回りしてる。
ラインがいつまでも既読にならないので父に聞いてみると、どうもラインのチェックの仕方を忘れている? パソコンで日記を書いたり(word)、カレンダーを作ったり(excel)出来る人なのだけど、どうもガラケー時代(持ち始めたのも遅かった)から携帯というものに相当な苦手意識があるみたいで、ほとんど使っていなかったせいもあるとは思う。
まぁ、そこはあまり突っ込むと本人の鬼の様なプライドとガラスのハートが傷つくので、やんわりと簡単スマホのレクチャーをする。「じゃぁ、また来るね~」と部屋の外に出たら他の方の対応をしてらしたスタッフさんと鉢合わせした。「今日はお父さんに喝を入れにきてくださったんですね」とおっしゃった。部屋のドアを少し開けたまま話していたので聞こえたんだろうな。
私が父にレクチャーする口調が「喝!」に聞こえたという事? え~~~ショックなんだけど。耳が遠いからどうしても声も大きくなるし、簡潔に伝えようと短いセンテンスで話すから、紋切り口調に聞こえたのかも知れない。自分でもきつい言い方しちゃったなぁって、後で激しい自己嫌悪に襲われることがあるので、人から見てもそうだったらすっごい嫌だなぁって・・・。
何か、気持ちが落ちた。
話のオチはないけど。