息子から電話。
滅多に連絡してこないヤツが何事⁉
直電の時は大体よろしくない話が多い。
15分位なんだかんだと話す。
よろしくない話ではなかった。
9月から我が家に近い営業所での一時的勤務となるので、
帰るのがダルくなった時は泊めてください、との事だった。
一応快諾。
一時的なら全然よござんすよ、一時的なら。
一時的なら歓迎いたします、一時的なら。
息子曰く、
「もしかしたらその営業所勤務が長くなるかも。でもその時は今の家と実家の中間地点位の所に引っ越すつもりなのでご心配なく。わたくしもですね、ひとり暮らしがこんなに長くなりますとですね、もう誰かと住むのが無理な体質になっておりまして」
私も返す。
「あなたも自立したという事ですね、すんばらしい。私たちも夫婦ふたり暮らしが長くなりましてですね、もうふたり生活のリズムというものが仕上がっちゃってるんですよね」
息子発言要約:一時的に世話になるがずっとはちょっと。
私発言要約 :一時的なら歓迎、ずっとはご遠慮頂きたい。
かくして9月から時々なのか、しょっちゅうなのかはわからないが、息子という人物が頻繁に登場することになるだろう。
しかし、ひとつ困った事が…。
あれは今年の5月頃、息子の部屋の恐ろしく長い事掃除していないエアコンをふと思いついて掃除した時の事。
エアコンの風を最強にして中の大量の埃を外に排出させるという作戦をとった。
まっくろくろすけの様な埃が次々に吐き出される。エアコンの真下は息子のベッド。慌ててウエーブハンディワイパーでキャッチしながら埃をぬぐっていたら、何とハンディワイパーの不織布のもふもふがエアコンの中に吸い込まれてしまったのである。
しばらく指先でもふもふの先っちょを掴んで綱引き状態が続いた。エアコンを切ろうにもリモコンは足元にある。先っちょを手放さないと届かない。私のリーチはそこまで長くない。
電源は目の前にあり、コンセントを引っこ抜いたらエアコンは停止させられるがそんな事してもし壊れたら…(ケチな私には出来やしない)。
リモコンの停止ボタンをつりそうになりながら足の親指で押そうとするも、乗っているのがベッドの上なのでリモコンが裏を向いてしまった。
足先で何とかリモコンをサッカー選手のリフティングの様にポンポンしてもう一方の手に掴ませられないか。出来るか~~~~い。
しばらく逡巡するも、意を決して先っちょを手放した。
この姿のまま一生過ごせるはずもなかろう。
あっという間にもふもふはエアコンの大海原へとのみ込まれていった。
すぐにリモコンで停止する。
その後、どんなに探してももふもふはない、ないのだ。
もふもふの奪還に失敗し、しばらく放心した後、
我に返って思った事は、
「これであの子は夏、自分の部屋では寝られない」。
別に「もふもふ吸い込まれ事件」があったから、
一時的を強調しているわけではありません、はい。
息子に打ち明けた時、「何してますねん。まぁ盆はいつもこっちにいてへんし、冬にしか泊まらんから別にええんちゃう」と。
やさしい…。この記事の冒頭でちょびっと悪口言ってすまん。
しかし、9月はまだ暑い。下手したら暑さがぶり返し、神経を逆撫でする。
で、息子・夫・私の三者協議により、息子は夫の部屋で寝る。
夫は私の部屋に布団を敷いて寝る(次女がこないだまで使っていた布団一式を片付けてないからちょうど良かった)。
リビングでは寝てほしくないし、一階の和室にはエアコンを付けていないので仕方ない、お互いに我慢しあおう。
あぁ、何かめんどくさい。
めんどくさいけどちょっと高揚している自分がいる。
こんな長々とうれしそうに書いてからに。