迂闊にも程がある

迂闊なおばさんの悲喜こもごも

どうぞそのままで

 

ヨガの後、長女宅まで車で向かう。

小雨の中、駅前のレストランまで二人で歩いた。

長女と実際に会うのは八月のお盆以来。長女は会社員でなかなか忙しいけど、電話でのやりとりは時々している。ここ数日は長女から「ちょっと聞いて欲しいことがあるねん」との事で長電話していた。

 

長女のひとり娘(私にとってはただひとりの孫)の学校でちょっと心配な事があったらしい。よくよく聞いてみると孫には直接関係ない案件だし、大丈夫だとは思ったけど心配性の長女にはそうはいかない。ただひたすら聞く、と言っても長女の話を聞いて長女と同じ様に、いえそれ以上に憤ってしまうこともしばしばの困った聞き手のおかんである。

 

だってわかるもの、そういう気持ち。

私も曲がりなりにも3人の子育てをして来て、何度も何度も居ても立ってもいられない気持ちを味わってきたから(今もたま~~にある)。自分の悩みならまだ自分が何とかすればいいけど、子どもの事となるとセンシティブな面を含んでいたりの難しい面もあったりで、頭も心もパツパツになったものだ。子どもたちが無事で機嫌よく過ごしてくれている事が母親(だけじゃないけど)にとってはどれだけ安心な事か。だから、そうでない時の気持ちは言うまでもありません。

今は自分の娘がそんな思いをするようになった。

まるであの頃の追体験をしているよう…。

 

話している内に長女の気持ちも少しは治まってきたのか、

「聞いてもらってるうちに何かちょっと気ぃ楽になってきたわ」

「ママは気持ちを解ってくれるから、言い甲斐がある」

(まぁ、それはそれはおかん冥利に尽きるってなもんです。本当はワケもなく部屋を3周ほど回る位嬉しい)

「〇〇君(長女夫の名前)もいつもちゃ~んと聞いてくれるねんけどね...」

 

うんうん、わかるよ~、わかりすぎる あなたのパパもそうだから 笑。

長女の夫はそれはそれは穏やかで落ち着いた人で、心配性で喜怒哀楽の豊かな長女には好相性の人だ。あれ以上のお相手はいないと思う(私の父も彼に会う度に面と向かって「好き」と言っている 笑)。私の夫も穏やかという意味では同じで「似たような人を選んだな」とは思った。

落ち着いている人というのは何か事が起きた時も落ち着いた対応をしてくださる 笑。ただ、私たちの様なタイプの人間にはちょっと物足りない事もある(恐れ多いわ、何を贅沢な事ぬかしとるねん、という事は重々承知しております)。

あまりにも大げさに反応されても引くけど、少しくらいは同じ様に悲しみ同じ様に怒るというか、上からでも下からでもない目線というか、少しくらいは取り乱してくれてもいいんじゃない?ていうか…(いや、取り乱さないからプラマイゼロでちょうどよろしいのでは?という事も重々承知いたしております、はい)。普段落ち着いている人が取り乱す姿程、こちらを動揺させるものもないので一概には言えないけど(どないやねん)。

 

で、今回は「ちょっと物足らないからママに直接会って話したい」との事でランチする事に。既に電話で思いのたけを吐き出してスッキリしたのか、ランチの現場では補足程度の吐き出しで事足りた様で、実に和やかな食事と相成った次第。「ラストオーダー(ランチの)の時間です」と言われるまでしゃべくりたおした。私の老後のビジョンまで飛び出る始末。このところ父の事や何やらでバタバタしていたから、私の方こそいい気分転換の機会を与えて貰ったと思う。

 


パンが食べ放題という誘惑にまんまと乗せられ、小ぶりとは言え5個も食べてしまった。2時間半もしゃべくりたおしたので少しはカロリー消費されているはず。

 

そして、穏やかな長女夫君が車で迎えに来てくれる。雨だったから本当に助かったし、ありがたい事この上なし。「物足りない」なんて言った事はおくびにも出さずシレッと送ってもらう私たち親子だった。

もちろん、肝心の孫はシャイで可愛くていつも通りの変わりない表情を見せてくれる。

心の底から安心させてくれて、世界の中心でありがとうと叫びたい。