迂闊にも程がある

迂闊なおばさんの悲喜こもごも

思い立って行ってみたら ➁

 

ukahodo.hatenablog.com

 

あったかいにゅうめんで体がポカポカになったところで、いつものコースの「狭井(さい)神社 大美和の杜展望台、久延彦(くえひこ)神社 へ。

かなり前だけど展望台に家族で来た時の事。どんよりした空の分厚い雲が突然パカッと割れてその隙間から太陽の光が強いシャワーの様に降り注いだ。下界はスポットライトが当たっているかの様にキラキラしていて、神々しいというか凄みのある美しさだった。「未知との遭遇」で巨大UFOが降りてくるシーンの様に。

この事を思い出していたら、夫が「あの時後光が射しとったな」と。何と同じ事を思っていた(後光ってのはちと違うけど)、恐るべし40年越えの夫婦歴史物語(笑)。

 

狭井神社の鎮女(しずめ)池にて。女性の心を鎮めるという意味だそう。
後方に見えている朱鳥居は市杵島姫神社。


いったんお昼を頂いた茶店まで戻って「檜原(ひばら)神社」(元伊勢)へ。茶店から20分ほどと書いてあるんだけど、健脚な方ならそうかも…。私自身は檜原神社へはもう何度も行っているけど、夫は初めて。年相応に(笑)ゆっくり景色を見たり写真を撮ったりしながら30分以上かけて歩いた。

実は夫が軽い肺気腫で登り坂などはちょっと息が苦しそうになる。夫の後ろから「いける~? ゆっくりゆっくり~自分の呼吸のリズムで」とか何度も声をかける。こんなトコで倒れられたらあんなデカい男を担いでいくわけにも行かないし。

 

初めて檜原神社に来た時のあの感動が今でもリアルに残っている。神社の西側の鳥居?しめ縄?の間にちょうど二上山が臨めるのだ。何の前情報も持っていなかったけど、初めてそれに気づいた時は全身に鳥肌が立った(いい意味で)。

 

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ちょうど夫の頭の上に見えているのが二上山
なぜかバレエの4番ポジションで立つ夫(笑)。

 

今回のお出かけの中で夫がたった1枚だけ自分の携帯で写真を撮っていた。彼なりに静かに感動していたのだろう(笑)。わかりづら…。

この下のお茶屋さんでちょっと休憩。いっぱい歩いて疲れていたので一杯800円(笑)のおぜんざいでエネルギーチャージ。

 

私は何度もひとりで(笑)来ているお茶屋さん。

 

甘味で活力を取り戻したところで帰りは来た道を戻るのではなくて、二上山の方向へ歩いて戻る事に。私は前に一度このルートを歩いている。「山の辺の道」の一部も通るし、来た道よりもアップダウンがなくて夫も苦しまずに(笑)済むし。

 

大和三山が臨める場所があってとてもいい雰囲気。

 

山の辺の道の標識がかわいい。
10年くらい前に来た時に撮ったコンテナがまだあった!
このカラーリングと錆びっぷりが好き。


ぽつぽつ雨が落ちてきたのでやいのやいの言いながらも早足で民家の合間を縫って進む。武家屋敷のような立派な家々が続くので飽きずに歩けた。

 

行きは高速を使ったけど帰りは特に急ぐこともないので中和幹道という道を西に向かってまっすぐまっすぐ帰る。途中で結婚するまで11年ほど住んでいた住宅地を通る。私の実家があった所で父の転勤に伴い売却したので今は別の方が住んでいる。

 

それでも無性にその家というか近辺を見たくなって夫に寄り道を提案する。夫も結婚前のお付きあい時代には毎日の様に私を実家まで送ってくれて、その度についでに晩ご飯を食べていたし(今思えば母もよくやってくれていたよなぁ、感謝)、家の場所は知っている。私が住んでいた家は今の住人さんが建て替えてまったく別のちょっとおしゃれな家になっていた。いわゆる新興住宅地で回りは家ばかりだけど、変わっているところは思いっきり変わっていたし、変わっていないところは「うわぁ、懐かし過ぎる」を連発するほどに変わっていなかった。

 

ふと思い立って(ちょっと導かれた感はあった。私は決してスピ的人間ではないけど)出かけ、また思い立って思春期から青春時代を過ごした場所に行くという場当たり的な展開だったけど、ちょっと心の温度が上がった一日。