迂闊にも程がある

迂闊なおばさんの悲喜こもごも

サヨナラと出会い

 

髪を切った。

 

いや正確には髪を数日前に切った。

 

別に失恋して長かった髪をバッサリ切ったとか、そんなドラマチックな話ではない。

私はベリーショートで、1か月半少なくとも2か月以内にはカットしている。ベリーショートのスタイリングを保つためには、この位の頻度で美容院に行かないと頭にブロッコリーを乗せたみたいなモリモリっとした頭になってしまうのだ。

 

そう私は多毛&剛毛&くせ毛なのだ。

くせ毛と言ってもくるくると愛らしいカール系ではなく、いわゆる「チリ毛」系なのである。東野幸治氏ほどではないが、今どきの様な雨の日や湿気の多い日はチリチリのクリクリになる。この髪質のせいで今までどれほどの苦労と悲哀を味わって来たか…、どれほどのお金をつぎ込んで来たか…(ごめん、ちと見栄張った)。

 

 

 

あれは3月後半そろそろ桜も咲き揃うかという頃・・・

まぁまぁ長い事通っているいつもの美容室に行った。担当さんが休む曜日だとはわかっていたが、もうこの日しか時間が取れなかったので担当さん以外の人が切ることになった。この人は以前にも何度か担当してくれたのだが、私はあまり乗り気になれない人だった。カットが下手なわけではない。

 

トークが抜群に面白くないのである。

 

一方的に自分の事ばかり矢継ぎ早に早口でしゃべるしゃべるしゃべりたおす。自分がしゃべった事に自分で笑う。間もオチもへったくれもありゃしない。切ってる間中ず~~~~~~っとこの調子でしゃべくりたおされ時々お愛想で微笑んではみるけれど、鏡の中の私の目には「辟易」と刻まれていた(笑)。

 

そして、事件は起きた。

 

話題が髪の事に移り、その人が言った。

「お客さんの髪は『ジリジリ』してるからねー・・・何たらかんたら」

『ジリジリ』というパワーワードがリフレインしてその後の話なんか入ってくるか~~~~~~~~い!

しかも『ジリジリ』をその後3回くらい繰り替えしやがりましたの。

3回目の『ジリジリ』の時には向こうでほかの客をカットしていた店長の片耳がピクッと動いてダンボになってたわ。気づいてくれたかしら?貴女の部下のその失礼な発言に。美容師が客の髪に向かって『ジリジリ』て…、エステに行って「お客さんの肌はシミだらけやからねー」て言うてるのと同じレベルの事ゆ~たんやで、あの人は。

 

はい、耐えましたよ。会計して店を出るまで笑顔こそ作れなかったものの、平常心を保った。クレームも付けなかった。

 

 

 

ただし、もう二度と行かない。

サ・ヨ・ナ・ラ 

おしまいよ。

 

 

 

 

で、冒頭の髪を切った、である。

じゃ、どこで切ったのか?

 

「 11cut イレブンカット」をご存知だろうか?

直営フランチャイズ合わせて全国に187店舗(2023.5現在)を展開している大手美容室チェーンなのである。

某ショッピングモールに眼鏡のフレームの調整に行った時、たまたま店の前を通った。

そんなに混んでなくて今すぐ切ってもらえそうだったので思わず飛び込んだ。スタッフは皆さん若くてシュッとした人ばかり。私をカットしてくれた人はそれこそシュッとした背の高い男性で話し方も柔らかくて、カットも別に遜色ないし、ちゃんと色々聞いてくれはるし。

何せ15分くらいで終わっちゃうのだ、これがまた。

今はやりのタイパですやん。

いや、逆に清々しいわ。

税込み¥1705!

 

もちろんシャンプーなし。希望すればシャンプーしてくれる(別料金)。

終わったら大きいサイズの使い捨ておしぼりで首回りとか拭いて(自分

で)備え付けのコロコロで服に付いた毛をコロコロして(自分で)

 

前の美容室ではちょっと嫌な気分を味わったけど、お陰でお安くて早くてシュッとしてはって(笑)、いい出会いが出来たわ。

まさか自分でもこういう系の美容室で髪を切る様になるとは想像もしてなかったけど、今までの価値観の転換だよ、これは。

ひとつ古いしがらみを捨てたら新しいバリューに出会えるのね、うん。

 

知らんけど(笑)