いっぱい歩きたいけど、ボーッともしたい。
どうせならとっても気持ちの良いところでそれをしたい。
今日明日は久しぶりの平日の2連休。1日はどこかに行こうかなぁとふわっとした気持ちはあった。フィットネスクラブも定休日だから行かなくても罪悪感にかられることもないし、こんなにいいお天気なんだもんきっと気持ちいいに決まってる、なんてたっぷりと動機付けをしたりなんかして。昔の「鉄砲玉」と言われていた私とは大違い(笑)。
葛城高原のこの時期はススキの名所で関西ローカルのニュース番組でもよくピックアップされている。ここには過去何度か来ているけれどススキの時期に来るのは初めて。
平日のお陰で「葛城山ロープウェイ登山口駅」に一番近い駐車場のたった1台だけ空いているスペースに駐車する事が出来た。駐車場の管理人のおばちゃんがめっちゃ笑顔で迎えてくれて何か幸先いい。
「良かったな、空いとって。アレ(ロープウエイ)、後10分くらいで出るわ」
先払いで1000円(駐車料金)をお支払いしていざロープウェイ乗り場へ。
実は私、ロープウェイが大好き。
あんなに楽して高い山へ連れて行ってくれて、絶景を特等席で拝ませてもらえて、ゴンドラ内のガイド放送もとっても興味深い(メモしたいくらい)。そしてほんのひと時だけどゴンドラ内に生まれるある種の一体感ていうか、鉄塔付近で揺れたりすると「おぉ~」とか言ったりして、非日常を味わう人たちがかわいい。
「葛城山頂駅」から本当の山頂までは私の足で15分位。緩やかな整備された道なので歩きやすい。私の前には若い女性2人がいて、お1人は何故か旅行用の大きなキャリーケースをひいていて、息が上がって大変そうだった。色んな人がいるな。
山頂近くになるときれいな道ではなくなって、「お、山やん」って感じになる。
ロープウェイ使ったせいか山頂についても「やった~~~」感は微量だけど、やっぱり山頂ってこころ躍る。なんちゃって辿り着いた感でもうれしい。
山のてっぺんだから寒いかな?と思ってパーカーを持って行ったけど全く出番なし。陽射しが強くて日焼けを恐れる程に。
この山にはとっても気持ちよく過ごせる場所がある事を知っていた。
過去に来たことがある。
その記憶を辿りつつススキをかき分けて歩いた。
どこだっけ。
迷うようなスケールじゃないんだけど私だからね。
どこだっけ。
とっても見晴らしがよくて気持ちいいところ。
ハンググライダーが空を舞っているのを見たところ。
気持ち良かったっていう記憶が今でもしっかりあるところ。
ここ、ここ。
ハンググライダーを見たのは春だった。
その何年も後、冬に来た。
塩おにぎりと卵焼きのお弁当をほおばる。
こんなトコに来ても「野菜足らんやん」とか思ったりもするけど、、
そう思ってしまうことは私らしいという事で別にいい。
ふと、声をかけられた。
なんたらピクチャーと言ってる。
あぁ、写真を撮って欲しいんだと思って立ち上がると、
No No Youなんちゃら (あなたを撮りたい)
Why?と返すと
ゆー なんちゃら そーびゅーてぃふぉ~
とかなんとかおっしゃる。
女性もニコニコしている。
撮られた。
その後、だいじょぶか?と思いつつもまぁいっか。
その後、
気持ちの良い風に吹かれながら、ボーッとも出来ずに様々な想いが行ったり来たりした。
必要な時間だった。
私にとっては枯れすすきってうらさびしいイメージではなくて、
余計な物をそぎ落とした凛とした姿に見える。
また、来るんだろう、忘れた頃に。
駐車場のおばちゃんが帰り際、「また、おいでや」と小さな早生みかんをふたつ下さった。