迂闊にも程がある

迂闊なおばさんの悲喜こもごも

今年最後の

 

今年最後のヨガクラスへ行った。

先生が事故渋滞に巻き込まれて少し遅れるとの事で、フィットネスクラブのスタッフが先生が来られるまでつなぐ事となった。

「皆さん、私で申し訳ありませんがよろしくお願いします」との言葉に皆拍手。軽いストレッチに始まり、しばらくしていきなり太陽礼拝3連発(笑)。私は流れるように動き続ける方が好きなので大歓迎だった。筋肉や関節が硬くなっているせいか、じ~っと同じポーズをキープするのが苦手。

先生が小走りでスタジオに登場するとまた拍手!代行のスタッフが去る時も拍手。

いいな、何かこういうのっていいな。

 

午後から父を迎えに行く、今年最後の「餃子の王将」へ。

和やかに今年最後のランチを頂く予定だったけど…。

12時半のお迎えを11時半と勘違いし、スタッフが迎えに来ないので(当たり前だ)1人で部屋を出てエレベーターで降りて来たらしい。当然、部屋からエレベーターまで歩かないといけない。父が勝手に1人で1階のロビーを歩いているのを見たスタッフさんたちが「おぉ~っ」と一斉に駆け寄ったらしい。

 

その話を聞いて顔が熱くなるのを感じた。

あかん、これはあかん。

心の中で6秒数える(アンガーマネジメントの本に書いてあった)。

あかん、6秒では足りない。

 

この年末にそんな事してまた転倒して大けがでもしたらどうするの!?

私が送ったラインは既読になっていたから12時半というのは読んでいたはず。

職員さんから「日付と時間」を書いたメモをもらっているはず。

勘違いしたにしてもひとりで歩いてはいけない事を知っているはず。

なぜ、コールボタンを押さないのか。

何かあった時はひとりでどうにかしようとせずコールしてってアレほど言ったのに、縫合しなくてはいけないケガをした時にアレだけ話し合ったやん!

 

口には出さないけど、もう批判しか出てこない。

すごい難聴の上、転倒リスクが非常に高いから歩行介助をつけて貰っているのに。

今まで何回コケた?何度入院した?

もう次から次へとあふれてくる。

 

沈黙の食事。

ちっとも楽しくない。ただお腹を満たすだけの食事。

明日から3連勤でその後は次女が帰省してくるし、長女家族も来るし、長男は未だ予定も解らないし、お正月料理の準備やその他諸々と毎年てんてこ舞いするので、父に会うのは今日が今年最後。

わかっているのにクスリとも笑えない。

 

部屋に戻って父に小さく切ったりんごを持ってきた事を思い出した。

「これ、食べてな」

「お腹いっぱいや」と父。

りんごはすこし色が変わっていた。

 

6秒では全然足らなかったけど、さすがに腹立ちも治まっている。自分の怒りの根本的な事は素通りのままだけど。

紙に父の元旦の予定を書いて壁に貼った。

 

帰り際、いつもの様に手を握って「また、元旦に。よいお年を!」とちょっとドラマチックな感じで別れる。エレベーター前で「あっ!」上着を部屋に忘れたことに気付く。

 

「はいはいは~い、上着を忘れましてですね」と漫才師の様に手を叩きながら(照れ隠しの術)部屋に戻る。

父はりんごを食べていた(笑)。

上着をひっつかむ私を見てにやりと笑った。

「何よ、ふん」とは思ったが、また手を握って別れる。

 

下に降りて会う職員さん達に挨拶をした後、受付のYさんと話す。

Yさんも両親の介護問題を抱えていらっしゃる。

お互いに「わかる~わかる~」と言いながら、こうして共感してくれる人がいてちょっとした愚痴を言い合える事がうれしい。

救われる。