迂闊にも程がある

迂闊なおばさんの悲喜こもごも

こんな日に限って

 

朝、目覚めて携帯を見て小さく叫んだ。

「うそやん!」

時刻は午前8時26分。

仕事なら間違いなくアウト!大遅刻である。

今日は休みだけど病院の予約日で予約時間は午前9時。

覚醒すぐのトロい脳内で今すべき事の最優先事項をはじき出す。

  • 洗顔・歯磨き
  • 寝ぐせでサリーちゃんのパパみたいになってしまっている髪を何とかする
  • 当然着替える
  • 予約票などの持ち物チェック

歯茎が擦り切れるのではないかという勢いで歯を磨き(あかん)、水でバッシャバシャ顔を洗い、デビュー当時のBUCK-TICKか⁉ってなくらいの荒ぶる髪をくるくるドライヤーで強引に何とかしてニット帽を被る。

当然、メイクする暇などありゃしない。マスクよ今朝も有難う。

 

病院まで車で約15分。

8時40分家を出て受付を済ませ、診察室前に座ったのが9時04分。起きてから38分。

心の中では「ふぅ~~~っ、間に合ったし。一時はど~なることかと思ったぜ」と我が早業に自画自賛の嵐が吹きまくっていたが、当然そんな事はおくびにも出さずシレッと持参した本を取り出し読み始めた(稲垣えみ子氏の『寂しい生活』)←また選りによって何故このタイトルの本をひっ掴んでしまったのか。

 

場所は某総合病院の産婦人科

昨年勤務先が一部費用負担してくれる人間ドックを受け、産婦人科を受診した方が望ましいと言われたので、昨年この病院の産婦人科を受診した。その際に「また来年も来てください」と言われていたので今年もやって来たという次第。

 

昨年受診後、1年先の予約を覚えていられるのか自信がなさ過ぎて、今年のカレンダーを昨年の病院帰りに購入して今日のところにピンクのマーカーで〇を付け予定内容も書き込んだ(アナログ上等)。

予約票も冷蔵庫に1年間貼り付けたままだったし(我が家の冷蔵庫は前面がマグネットが効かない仕様なので、この予約票のために細長いマグネットボードをドアに貼り付けて予約票を貼っていた。予約票だけが冷蔵庫全面で際立つ存在を知らしめていたのだ。ここまでする?もはや、強迫観念か(笑))。

仕事のシフトにも忘れずに希望休を入れた。昨夜も「明日は産婦人科だからジャンパースカートを着て行こう」と着る物も靴下からペチパンツに至るまで一式ハンガーにかけていた。

要は一年に一度の検診のため、準備は完ぺきだったのだ。

 

なのに、なのに、なぜ寝坊したのだ、うかほどさん(いくらブログネームが「迂闊にも程がある」を縮めた名前だからって迂闊にも程がありゃしないか)。

日曜日は母の13回忌のあれこれで気が張っていたしその後の月・火連勤後の開放感から半年以上家呑みしていなかったのに、昨夜はついつい白ワインをまぁまぁの量飲んでしまった。私はアルコールはそこそこ強い体質だけど、久しぶりのワインのおかげで寝つきの悪い私もす~っと眠りについた。

携帯のアラームをセットし忘れて。

 

迂闊にも程がある私が1年も先の予約を覚えていて万全の態勢でいたのに、ワインを飲んで寝坊したからといって病院受診を放棄するなんて有り得ない。この1年の苦労が(何が?)水の泡になるじゃないか。

「すっぴんが何だ!んな事知ったこっちゃね~わ、こちとら1年も覚えてたんだ!何が何でも間に合わせてみせやしょう!」(何故に江戸っ子風味)と一人病院へと韋駄天(いだてん)のごとく走ったのだった(車で)。

 

受診結果は異常もなくやれやれ。

先生がにっこりと「では、また1年後に予約を取りますね」。

 

今日もそうだけど予約日は私には意味のある日で、今日は結婚記念日。

来年は母の命日。

覚えやすいと言えば覚えやすいかも。

前日にワインを飲みすぎなければ。

 

 

こんなに愛らしいのに。見切り処分91円だなんて。
ピンクの薔薇の花言葉は「感謝」。後で調べてわかった事だけど(笑)。