目覚めてベッドから抜け出して寝室の窓を開ける。この瞬間が好き。
昨日肌を刺すような冷気があったのに今朝はほっぺたに何の刺激もない。
「あ、やさし~わぁ」
目を瞑って深呼吸したら向こう三軒両隣に響き渡る位のくしゃみが出た。今、花粉が天下を取っている事をすっかり忘れていた。
ヨガへ。この先生のレッスンは流れるように動き続けるフロースタイルで好き。仕事が毎金曜日休めないのでいつも入れないのが残念だった。今月で退会するけど今月はこの後金曜日が仕事なので今日が最後のレッスン。スタジオを出る時に「いつもステキな時間をありがとう」と心の中でつぶやいて頭を下げた。
午後1時に父をお部屋まで迎えに行く。父はキルティングの上着を着て社長椅子に座って待っていた。先週の外食の時に私が「今日外寒いから着ていって」と上着を着せた事を覚えてくれているのだろう(「今日こそ上着要らんやん」、口にはしてません(笑))。
前回はトンカツに行ったが父には今ひとつアレだったみたいで、やっぱり「餃子の王将」なのだ。もう燦然と輝く金字塔である。餃子の…というよりも父にとっては「天津飯の王将」なのかも知れない(笑)。
父が部屋を出てエレベーターを待っている時に言った。
「うかちゃん(解って頂いていると思いますが年の為に申し上げますと私の本名は『うか』ではありません)、休みの時はゆっくりしぃや。ジジイの事はほっとき」
と、随分殊勝な事をおっしゃる。
「あら、エライ気ぃ使いはるやん。アカン時はアカンけどイケる時はイケるねん」
と、私も殊勝な事を返す(笑)。
でも、父の娘を気遣って言ってくれる↑の様な言葉がもうめちゃくちゃ嬉しい。お礼言って貰おうと思ってしてるわけじゃないけど、父が父たる威厳を保って親心で以て娘を思いやる気持ちと言葉がもうめちゃくちゃ嬉しいのだ。
父は以前も同じ様な事を言っていた。コロナが5類になってやっと父が外に出られるようになったしばらく経った頃。
父の所へは行ける時には行くというスタンスはこの頃から崩していない。私自身の生活も大事だから。よく「えらいね~、親孝行やね~」と言われる事があるのだけど。
1人では外にも出られない人が居て、その人が「王将の天津飯」が大好きで他のお料理を食べている時よりもずっと自然においしそうに食べている。その姿は私を嬉しくさせてくれる。だからまた連れて行ってあげたい。その人が私の父だという事。そんなシンプルな理由。
そりゃ、ぶっちゃけ多少の義務感はある。その「義務感」という三文字には様々な思いが含まれてはいるけど。
もうひとつ嬉しかった事。
父が先週金曜日の「チェア体操」に参加していた!
もうこれはかなり画期的な事だ。快挙だ。
今日も参加してくれた。私も隣で参加する(笑)。
皆さんよりも少し離れたテーブルの後ろにはいたけれど。何で一人だけ離れてるんやろう?とは思った。スタッフさんによると「ここでええ!」と父が言ったらしい。
うんうん、慣れていない場所ってちょっと構えてしまうし人の目も気になるよね。
父は片麻痺なので出来る事は限られる。ええかっこしいの父が20数人いらっしゃる参加者の中で片手で体操をしてくれた。
「こんなんしても何もなれへん」と前は完全拒否していたけど、続けてくれたらいいなぁ。父の身体のために、そして頑な心のためにも。
そして、この現場を見てスタッフさんのサポート力にも頭が下がる。
そう、私たちが向かうのは目の前の方々なんだ。発言力のある誰かに向かって仕事しているワケじゃない。
(て、何かエライとこにまで広がっていきそうなんでこの辺りでドロンします)