迂闊にも程がある

迂闊なおばさんの悲喜こもごも

2023年12月29日~31日 純過去日記(※長文)

 

ブログは更新できなかったけど、ちょこちょことメモしていた事と画像を見ながら、危うい記憶を手繰り寄せて書いてみる。

 

12月29日 仕事納め。晩御飯後、豚の肩ロース塊肉で毎年恒例の焼き豚に取り掛かる。しかしながら今年は大失敗。ストーブの上で鉄のフライパンに塊肉にタレをからめて煮詰めるという最終段階であろうことか寝落ちしてしまった。

香ばし過ぎる匂いで目が覚め、慌ててフライパンを見ると、何という事でしょう、タレが水不足時の池の様に干上がる寸前。かろうじて焦げ付きは免れたけどとてもお重に入れられる様なルックスもといクオリティではない。それでも貧乏性の私は翌日の夫とのお昼ご飯にその焼き豚を使ってチャーハンを作る。大量のネギ&ゴマと相まって香ばしさも際立ち、これがまた美味。ただでは転ばぬ。

 

12月30日 6時前起床。一番に玄関にしめ飾りをつける。

この日から夫が休みに入る。朝起きてから同じ場所でずっとテレビを眺め、時々柿ピーを貪る姿にイラッ。連日の仕事でお疲れなのは解るけど、仕事を納めて普段の家事プラスお正月準備という一大オプションをこなそうと張り切っちゃってる妻を尻目によくジーっと座って柿ピー食べられるよねっ! 言えば何かはしてくれるけど、言わないと何もしなくても良いと思っておられるらしい。今までにもう何度もこの類の件では二人の間に摩擦が起き大炎上を繰り返しているのだ。

ただ、こんなしょ~もない事で年末に揉める暇は私にはないしそこに注ぐエネルギーはもっとない。この人はこういう人なのだと思ったとてイライラするけど(笑)。側にいると嫌でも目に入るので二階に上がって帰省してくる子どもたちの寝具を干したり、息子の部屋に掃除機をかける。

ひとりで3軒のスーパーをはしごしてお正月商材を購入。その道中で見る町の様子にくすぶる思いがまた爆発しそうになる。ご主人と思われる方々が網戸を外して洗っていらしたり、庭木を切っておられたり、車を手洗いされていたり…いや、もういい、皆まで言うな、私だって焼き豚を焦がしたではないか…。

帰宅してからは祝箸の袋に筆ペンで、父・私たち夫婦・長女・長女夫・孫・長男・次女と8人の名を書く。ひとりひとりの名を書きながらひとりひとりへの思いが浮かんでくる。孫へのお年玉を用意する、今回選んだポチ袋はお札をそのまま入れられるサイズをチョイス。夕方からキッチンで晩御飯の支度やお重の準備に集中する。

料理は嫌いではないけど得意ではない。料理は段取りの塊なので。私は一点集中してしまう症候群(何じゃそら)であるからして、要領の良いダンドリーナさんは私が料理している所を見たら白目剥くだろう。それでも41年も主婦業をしているとそれなりに何とかなっているのだから面白い。

 

29日に東京から大阪入りし、友人の家に泊まっていた次女(32)が19時半頃わが家へ。最寄りの駅に車で迎えに行く。地下からの階段を上がってくる人々に目を凝らす。その中に次女を見つけると昼間のイライラの極みもどっかへ吹っ飛んだ(笑)。その足でまたしてもスーパーに寄る。いつものスーパーも次女と一緒だと何だか嬉しい。次女は夕方に友人とカフェご飯した様で晩御飯は不要との事。鏡餅のセッティングをお願いする。夜はおしゃべりしたりおやつを食べたりまったり過ごす。

いつもの様に私の寝室にお布団を敷いて10時半ごろ就寝。お互いに若い頃の様に夜更かしすることはなくなった(笑)。

 

12月31日 朝6時ごろ起床。次女を起こさない様にそぉっと横をすり抜けて階下へ降りる。冷え込みもそれほど感じないけどストーブを点ける。意地でもガスレンジを使わないゆるい意気込み(何の役にも立ちゃしない)。29日にやらかした様な失敗は一歩間違えればおおごとになるので、今後はストーブに鍋やフライパンを長時間置く時は必ずタイマーをセットする事にした(私の様な迂闊な人間は具体的な対策案を設けないと痛い目に合うので)。

 

今日は一週間前から雨予報だったのでお正月料理の準備はこの日に賭けていた。

料理と言っても黒豆や酢ゴボウ等は出来合い。作ったのは孫のためのハンバーグ(孫は食べられるものが限られるので好物のハンバーグは毎年お重に入れる)。このハンバーグは次女が作ってくれた(本当に助かったし嬉しい)。その他は田作り・結びこんにゃくの煮つけ・お煮しめの代わりの筑前煮・えびのうま煮・ぶりの照り焼きなど。後は紅白かまぼこ・ロースハムブロックやポークパストラミなどを切り、お雑煮用の金時人参と雑煮大根・寿蒲鉾・お雑煮用の青物野菜を切る。ブロッコリーを湯がく。それらを各々密閉容器に入れて冷蔵庫へ。

と、簡単な事ばかりだけどする事が多いのでメモにリストを書いて出来た事から線を引いて消していく(アナログ上等)。

何かめちゃくちゃテキパキし過ぎて、私のテキパキレヴェルを余裕で超えてしまったがゆえに白ワインが飲みたくなって、午後5時過ぎにスーパー万代に行く(笑)。そこでは私の知らない世界が繰り広げられていた。和牛も高級かまぼこもあらゆる正月商材が「半額」に。万代は明日から三が日はお休みなので(そういうトコ好き)今日売り切る覚悟なのである。

半額シールを貼った商品満載のカートを携える買い物客でごった返している。みんな通なのである。ちゃんと知っているのだ、この時間からは半額になる事を。ただし、来店のタイミングがむつかしくない?売り切れていたらアウトやし(他のスーパーも営業はしてるけど)。私は軽いめまいと共に未知の領域に触れた事に感動すら覚えていたけど、商品満載のカートの方々の中で、ちょい足し買い物でスッカスカのカゴを持ってレジに並ぶ私は心の中で叫んでいた。「私は昨日までにちゃんと買い物済ませてますので!今は買い足しですので!」(自意識過剰)

 

息子が9時過ぎにわが家へ。「また、背ぇ伸びたんちゃう!?」と親戚のおばちゃんみたいなベタをかます私(37歳の息子の身長が伸びるはずなかろうて)。「そないに伸びますかいな。天井突き抜けますやん」と息子がお約束の返し。そうそうこれなのよ、私が飢えていた事は。夫ではだめなのよ(笑)。

ひとり暮らしでは鍋もなかなか食べられないだろうと用意していた豚しゃぶ鍋をぺろりと平らげる。若い子が(37歳ですけど)がっつり食べる姿を見るのは好き。つい「コレも食べや」攻撃を仕掛けてしまう。中川家のおかんみたいに「いちごあるで」とか言ってしまっている自分が愛おしい(笑)。

息子は疲れ切っているのか食事後、ソファーでいびきをかきながら寝落ち。そっとブランケットを掛ける。去年とまったく同じ写真が撮れた。次女はその横でストレッチに余念がない。次女は5歳から18歳までクラシックバレエを習っていて、3~4年前に再開し今またハマっている。私はその傍らで久しぶりに紅白歌合戦なんか見たりして何だか昭和な大晦日な夜。

 

ひとり、ひとり、「もう、あかん寝るわ」「おやすみぃ」と二階へと消えてゆく。

子どもたちが3人とも家にいた頃は「サッサと寝やがれ」と思っていたのに、今はちょっとだけさみしかったりする。