迂闊にも程がある

迂闊なおばさんの悲喜こもごも

くすっとしたり、ほろりとしたり 明日香村にて

 

 

4月2日まで休みだったのだけど欠員が出て「ど~にもこ~にもならん」という事で急遽2日に休日出勤となり4連勤となった。人にうつす様な時期はとっくに過ぎているけど病み上がり&久しぶりの連勤で昨夜はバタンキュー状態。

 

今日から個人的に3連休。以前から楽しみにしていた「とびだせ!長谷川義史展」へ気分転換も兼ねて一人で行って来た。場所は奈良県立万葉文化館。駐車場料金は無料。JAFの提示で観覧料1000円が100円引きとなる。5月6日まで。

 

明日香村は桜が満開で変わらず美しい田園風景が広がっていた。

明日香村は何度も訪れている思い出の場所。教科書に載っている様な歴史的なあれやこれやが散りばめられている場所でもあります。

 

長谷川さん大阪府藤井寺市出身。今は終了したMBS(毎日放送)のグッジョブという番組の中の「とびだせ!絵本」というコーナーを担当されていた。街の風景や出会い、季節を絵に描きながらブラブラと散歩するという内容。

私はこのコーナーをたまたま見る度にええなぁと思ってた。長谷川さんの飄々としたくすっと笑える語り口やサクッとお描きになるスケッチもすごく好みの雰囲気。

 

絵もメリハリのある構図と大胆で勢いのあるタッチで大好き。雑誌の連載でちょこっと添えられていることばも程よく力が抜けてるっていうか。そんなほのぼのとした作風の中にも人が生きていく中でのちょっとした引っ掛かりや切なさもジワリと。絵を見てキャプションを読んで自然と涙が溢れてきて困ってしまった。

 

そして反骨精神。戦争や震災を伝える時はただ声高に言うのではなくて、日常の身の回りの当たり前の幸せがどれだけ大切かを再確認させてくれた。

 

 

「とびだせ!長谷川義史展」のフライヤー

 

観覧中に入り口の方で赤ちゃんの大きな泣き声が聞こえて来た。

「あ、お母さんも長谷川さんの絵本のファンなんだな」と思っていたら泣き声は徐々に遠くなっていった。仕方のない事だけど注意されたのか、諦めたのか…。

 

約2時間弱かけてすべてを観覧し終えて外に出ると、さっきの泣き声の赤ちゃん(多分、他に赤ちゃんいないし)を抱いたお父さんの姿が。もうやさしく赤ちゃんの背中をトントンしながら横抱き(まだ本当に小さい赤ちゃんだった)して赤ちゃんをあやしている。館の職員さんがハラハラした様子で「泣き止んだみたいですね~」と。傍らにいた70代くらいの男性も「一番可愛いけどまだ手ぇかかるわなぁ」とお父さんに声をかけている。

 

こういう事だよなぁ。

 

もちろん美術展的なところへ乳児を連れてくることへの賛否はもちろんあって然り。

正論ならNG。

 

さておき、お父さんが赤ちゃんを抱いていたという事はお母さんがひとりで長谷川さんの絵を鑑賞されているという事だろう。もしかしたらお母さんと交代でお父さんも鑑賞するのかな。わからないけど。

 

すてきだな。

もう、ものがたりが生まれている。

 

長谷川さんの絵にはおじいちゃんがよく登場する。が、実際長谷川さんは祖父や曽祖父の存在を知らないらしい。長谷川さんの描くおじいちゃんの口癖は

 

「いいから いいから」

 

 

 

わが家のチューリップが咲きました。